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【実録・僕の人生ストーリー】episode2:「遠回りして気づいた、“作ること”への想い」

僕とフォトフレームの出会い

「ふっ……人生って捨てたもんじゃないんだよ、お嬢ちゃん、」
そんなふうに思えた瞬間が、誰にでも一度はあるんじゃないだろうか。

僕にとってそれは、「フォトフレーム」との出会いだった。
それまでの人生で、せいぜい3回くらいしか意識したことのなかった“写真立て”。
まさかそれが、自分の人生を再スタートさせる火種になるなんて──想像すらしていなかった。

人間こわい。メンタルぐしゃぐしゃ。

2015年の秋。
空気が乾き始めて、スーパーでは鍋の素が幅をきかせる季節。
僕は単身赴任から戻ってきたばかりで、社会との接続不良を起こしていた。いわゆる「対人恐怖症」。

かつては「営業ってのはハートで勝負すんだよ!」なんてノリで全国を飛び回っていた僕が、
「いやん、もうムリっす。人間こわいっす。しゃべると胃がキリキリするっす」状態に陥っていたのだ。

会話が怖い。電話が怖い。
気づけば職安に通うのが日課になっていた。

無言で削れる。アクリルって最高か。

ある日、ふと目に止まった「機械オペレーター募集」の求人票。
什器(じゅうき)をつくる会社で、アクリルを削る仕事だという。

──あれ?
これ、もしかして「喋らなくてもいいやつ」なんじゃ……?

かつてCADを使っていた経験もあったので、サクッと面接を受け、サクッと採用。
まるでラーメンの替え玉くらいのテンポで、あっという間に転職が決まった。味変もなし。

「削る悦び」に目覚めた一年間

仕事は主に“旋盤”を使ってプラスチックを削る作業。
ルーターというドリルの刃をギュイーンと回して、PCで組んだプログラム通りにアクリルを削る。

ガリガリ、ゴリゴリ、ザクザク……
透明な板が、自分の手で形になっていく感覚が面白かった。

何より、一人で完結できる作業というのが、当時の僕には最高だった。
誰とも話さなくていい。余計な提案もしなくていい。
プログラムを書き、削って、削って、ただ削る。

営業時代の「生みの苦しみ」から解放されて、
僕は「削る悦び」に目覚めてしまった。

そして現れた、“謎の高額フォトフレーム”

働き始めて1年ほど経った頃だったか。
定期的に入ってくる仕事の中に、「フォトフレーム」のパーツ加工があった。

「え、今どきフォトフレームなんて売れるのかね?」と内心ツッコミながら、
透明なアクリルを削って、磨いて、ネジ穴を開けて……ただ淡々と作業していた。

そんなある日、現場リーダーが衝撃の一言を放った。

「これ、百貨店で売られてるやつでさ、1個10万円とか、たまに50万超えんのもあるのさ」

……えっ?

「ちょっと何言ってるかわかんないですね」って顔で固まる僕。

だって、アクリル板だよ!?
プラスチックだよ!?

それが10万? 50万!? “1個”で!?

混乱する脳内に、「?????」が雪崩のように押し寄せる。

後から聞いた話では、そこに“ダイヤモンド”を埋め込んでいるらしい。

「あ、そりゃ高ぇわ……」と、ようやく鼻息も収まった。

フォトフレームは、“想い”を込める器だった

でも、そのときふと、胸の奥がポッと熱くなるのを感じた。

(フォトフレームって、ただの写真立てじゃないんだ。
想いとか、価値とか、詰め込むことができる“器”なんだなぁ……)

何気ないきっかけだったけど、それが僕の“再スタート”の小さな火種になった。

あれから年月が経って──今、僕は

あの時感じた“アクリルの魔法”を、どうにか形にしたい。
そう思って、何年もかけて試作を重ね、失敗しながら、こだわりを育ててきた。

今、僕が作っているフォトフレームは、当時の感動と、アクリルに向き合った時間の集大成だ。

8枚の写真を、美しくバランスよくレイアウト。
中央にはL判写真が差し替えできるスペースがあり、そのときどきの「今」を飾れるようになっている。

ただの飾りじゃない。
思い出を語るフレーム。
物語が宿るアクリル。

僕の第二の人生のスタートに寄り添ってくれたアクリルを、
今度は誰かの「節目」や「記念」に届けたい。

――もしも、あなたのそばに、残しておきたい瞬間があるなら。
その記憶を、ぜひ、僕のフレームに閉じ込めてみてください。

「今の仕事に限界を感じている」「新しい挑戦をしたいけど怖い」と感じている方、ぜひ次回の記事をお楽しみに!

次回の更新をお見逃しなく!

次回の記事はこちらから👉

 

📌アクリルフォトフレームの詳細はこちら https://nui-subako.com/photo-frame/

 

参考記事(note

参考記事(クラファン ウクライナ難民フォトフレームプロジェクト)

参考記事(フォトフレームにつて)

 

 

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